研究課題/領域番号 |
09878214
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
吉野 誠司 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部医用電子工学科, 助教授 (90024596)
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研究分担者 |
山下 馨 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40263230)
大江 洋介 国立大阪病院, 臨床研究部, 医員研究員兼任
石原 謙 国立大阪病院, 臨床研究部, 部長 (20304610)
長倉 俊明 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部医用電子工学科, 助教授 (40288577)
斎藤 興治 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部医用電子工学科, 教授 (00261040)
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キーワード | 動脈硬化 / 頚動脈 / 高速度超音波診断装置 / トノメトリ型非侵襲的連続圧計 / 機能的組織診断法 / 超音波エコートラッキング法 / 微小磁気振動センサ / 脈波センサ |
研究概要 |
我が国の脳血管障害と心疾患の死因別死亡率は全体のl/3を占め、癌をはるかに上回るが、動脈硬化の評価法は十分確立されているとは言いがたい。動脈硬化の非侵襲的診断は、近年高解像度超音波断層装置による観察から病変の存在が診断可能になった。しかしこの診断法法も形態診断に留まっており動脈壁の形態が変化して始めて診断できる。しかしこれでは真に役立つ診断方法ではない。動脈硬化による疾患を未然に予防するためには形態変化の前に診断する必要がある。 そこで動脈硬化診断には、血管壁の組織診断が1つの解決方法であると考え、血管壁の運動から解析する機能的定量評価を考えた。この方法は、超音波診断の特徴を生がし、予防医学的見地から非侵襲的でスクリーニングにも使える方法が望ましい。さらにより詳細な血管壁の機能的定量評価を試みるために、血管を動かしている心臓の影響を検討した。 ここで駆出期に限りの左室内腔圧を橈骨動脈圧波形で近似できるものと仮定すれば、擬似的なボリメトリが可能である。または左室内腔断面積変化によって橈骨動脈圧波形が変化する伝達関数を検討すると考える事も可能な方法を検討した。 本研究の成果 (1) 左心室の運動を圧力と左心室断面積の変化より解析し、心臓の機能を反映するであろうパラメータB/AとSを決定し、加齢と共に心臓の機能は低下していくことを定量的に示した。 (2) また統計学的解析により高血圧群と健常者群を分離できた。 (3) この方法が確立されれば、血圧の情報が加わる分だけ、心臓の病態の詳細な診断が可能である。 (4) さらに本方法でも、心臓と橈骨動脈の時間の補正をするために微小磁気振動センサは、従来の脈波センサより精度よく非侵襲計測できる事が分かった。
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