研究課題/領域番号 |
09F09049
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小島 隆彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授
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研究分担者 |
MUNIAPPAN Sankar 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 非平面性ポルフィリン / 機能性π空間 / 複合超分子 / 結晶構造解析 / 光機能性 |
研究概要 |
本研究は、非平面性ポルフィリンおよびその金属錯体と、様々な有機及び金属錯体との複合超分子の構築とその光機能開発を目的としている。そこで、サドル型ひずみを呈するドデカフェニルポルフィリン(H_2DPP)について、水素結合部位および配位部位としてヒドロキシル基及びカルボキシル基を周辺フェニル基に導入した、新規H_2DPP誘導体を10種類合成した。また、それぞれのH_2DPP誘導体を配位子とする亜鉛錯体を合成した。それらのNMR、吸収および蛍光スペクトルなどの分光学的測定、電気化学測定、元素分析によるキャラクタリゼーションを行った。さらに、メソ位フェニル基のパラ位に水酸基を導入したDPP_<2->(DPP(OH)_4_<2->)を配位子とするZn(II)錯体[Zn(DPP(OH)_4)(CH_3OH)]の結晶構造解析を行った。その結果、結晶中で水酸基が一次元の親水性チャンネルを形成するとともに、らせん構造を形成していることが明らかとなった。また、4つのメソフェニル基のパラ位にカルボキシル基を導入したH_2DPP誘導体の塩酸塩([H_4DPP(COOH)_4]Cl_2)は、結晶中でカルボシキル基間の分子間水素結合により集積し、周辺フェニル基間の分子間π-π相互作用により既報の[H_4DPP]Cl_2よりも大きなキャビティを形成することが明らかになった。一方、電気化学測定の結果から、Zn(II)錯体において、エステル基の導入によって0.25Vほどポルフィリン環の酸化電位が上昇することが明らかとなった。
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