研究課題/領域番号 |
09F09100
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大関 泰裕 横浜市立大学, 大学院・生命ナノシステム科学研究科, 教授 (70275022)
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研究分担者 |
KAWSAR S.M. 横浜市立大学, 大学院・生命ナノシステム科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | レクチン / カイメン / ブタ胃ムチン / N-アセチルグルコサミン / 抗菌活性 / 抗真菌活性 |
研究概要 |
糖鎖を介した創薬診断開発に有用と思われるレクチンを得る目的でキトオリゴ糖固定化カラムを用いてクロイソカイメンからN-アセチルグルコサミン結合性レクチンの単離を試みた。その結果、すでに報告されている分子種よりも分子量が小さい18kDaサブユニットが共有結合した2量体レクチンが得られ、抗菌および抗真菌活性が認められた。本レクチンはブタ胃ムチンにも結合し、N-アセチル糖を持つムチンに対する結合能を持つことが認められた。さらに赤芽球リンパ腫細胞K562などの細胞に添加すると、量依存的に増殖抑制活性を示し、その作用はN-アセチルグルコサミンおよびガラクトサミンの添加により阻害され、培養細胞に対する糖鎖増殖抑制活性を持つことが始めて明らかになった(赤血球凝集による活性評価を可能にするため、トリプシン処理グルタルアルデヒド固定ヒト赤血球をガラクトシダーゼで処理すると、本レクチンによる凝集力が顕著に観察できることが判明した。さらに本レクチンの熱およびpH耐性を調べると、80℃1時間処理でも活性を保持したが、pH5以下、13以上の処理を行った分子は活性が低下した。一次構造と糖鎖結合プロファイルを明らかにする目的で大量精製を試み、湿重量約1キロのクロイソカイメンを採取し、精製を行い、7mgの大量精製に成功した。リジルエンドペプチダーゼによる消化を試みたが充分な切断が行われず、本レクチンの一次構造解析について改善の余地があることも判明した。
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