本プロジェクトの目的は、日本社会におけるニート・ひきこもり問題をシステマティック、科学・実証的に、a)心理学的尺度構成、b)社会・実験心理学、c)発達障害との関連性や家族機能との関係、そしてd)臨床または社会心理学的介入方法の検討と比較という視点から、研究することである。現時点において、a)とb)の目的は完遂したが、c)発達・家族機能d)臨床などの様々な介入方法の比較は進行中である。これまでの研究の進展はこころの未来研究センターから発刊されている『こころの未来4号』に記事が掲載される予定である。それに加えて現在、査読論文雑誌に投稿するために二つの論文を執筆中である。また、京都大学には日本の若者の問題について他の学問分野から研究している3人の留学生(そのうちの2人はJPSPのポストドクター研究員)がいることを利用し、6月12日にワークショップを行う予定である。そのワークショップでは主に、それぞれの研究者が様々な分野、例えば社会学、心理学、薬学などの知見から研究成果を発表し、日本の若者の問題について意見交換をし、理解を深めることが目的である。それに加えて、そのワークショップ後一年以内には話し合いをもとに、日本の若者の問題の理解をより深めるためのシンポジウムを行いたいと思っている。また、このシンポジウムは外国人、日本人の研究者、学生、地域の若者支援者、国内外のメディアに対して公開する予定である。
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