研究概要 |
本年度は,これまでの研究成果をまとめ,また,国内の研究者との研究交流をつくることで,研究の基盤を形成した。目的とした3種類の研究(主観的時間,レミにセンス・バンプ,およびライフスクリプトの調査)の進行状況は以下の通りである。 (1)主観的時間の調査については,600人の参加者よりデータを収集し,2月に日大で報告した。5月にはさらに80-100人に対して調査を行う予定である。本研究の結果は,オランダの参加者を対象としたFriedman and Janssen (2010)と比較する予定である。 (2)日本の若年者および中高年におけるレミニセンス・バンプ研究については,共同研究者である川崎弥生氏(日本大学),井上智義教授(同志社大学)と最初の実験を終え,投稿中である(Japanese Journal of Psychology)。本研究は,アメリカおよびオランダの参加者を対象とした研究(Janssen, Chessa, & Murre, 2005)と比較する予定である。 (3)ライフスクリプト研究については,3月に開かれた第8回筑波国際記憶会議において,ライフスクリプトにおける年齢の効果としてポスター報告を行った。本研究は昨年度ルビン教授(デューク大学)と行った調査の一部である(Applied Cognitive Psychologyにて印刷中)。7月以降,日本人の参加者を対象に調査行うこれらの研究により,自伝的記憶の各特性に関する年齢特性や,文化比較の要点が明らかになりつつある。
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