研究課題/領域番号 |
09F09223
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
末松 芳法 国立天文台, ひので科学プロジェクト, 准教授
|
研究分担者 |
OROZCO SUAREZ David 国立天文台, ひので科学プロジェクト, 外国人特別研究員
|
キーワード | 天文 / 太陽物理学 / 光球 / 偏光観測 / 太陽磁場 / 磁気流体現象 |
研究概要 |
本研究の目的は、太陽観測衛星「ひので」の高分解能磁場観測により明らかになってきた、磁気流体現象の詳細解析を進め、磁気流体現象の多様な振る舞いとダイナミクスの起源を理解することである。このため、独自のスペクトル線偏光線輪郭解析手法を開発し、研究を進めている。今年度の主な研究内容は以下の通りである。(1)太陽静穏領域超粒状斑内部のベクトル磁場の太陽面中心から太陽縁までの異なる視野角で得られたデータを詳細に解析することで、これらの磁気構造の磁場方位(300G以上の磁場について)が視野角に依存せず等方的であることを見つけた。乱流的な磁場生成機構が働いている証拠と考えられ、2つの論文にまとめつつある。(2)粒状斑内部の垂直磁場の出現は、「ひので」が見つけた新しい現象で、その形成/出現、時間変化を独自のインバージョンツールを開発することで行っている。(3)超粒状斑内部と境界の太陽光球磁束の収支バランスがどのように成り立っているのか、未解決の問題であり、これを詳しく調べるための磁場データ取得を「ひので」共同観測に応募し、得られたデータの解析ソフト開発に取り組んでいる。(4)「ひので」より高分解能の気球太陽望遠鏡「Sunrise」で得られたベクトル磁場データ解析を、同時観測の「ひので」データと比較することにより行っている。(5)最近の静穏領域の磁場データ解析結果は高く評価されており、ドイツ・マックスプランク研究所のWEB上レビュー論文の著者の一人として招待されており、Magnetic Field in the Quiet Sunという表題で執筆中である。
|