• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

水環境中におけるブラックカーボンの挙動と消長の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09F09290
研究機関東京大学

研究代表者

滝沢 智  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授

研究分担者 LOHWACHARIN Jenyuk  東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
キーワードブラックカーボン / 水環境 / コロイド / 天然有機物
研究概要

粘土(pH7.60)またはローム(pH6.24)を充填したガラスカラムを用いて、親水性および疎水性のブラックカーボン粒子の土壌カラム中での挙動を調べた。流速0.036cm/sの定常流において、土壌カラム内に堆積したブラックカーボン粒子を測定し、1次沈殿式で近似した。このモデルは、土壌の乾燥重量当たり、一定で均一なブラックカーボン粒子の付着を仮定しており、実験データへの最少二乗法近似により、粘土粒子表面へのブラックカーボンの付着量と、付着速度係数をもとめた。
これまでの研究で、水で飽和した砂層内の親水性ブラックカーボンの移動は、ブラックカーボンの表面に天然有機物が付着することにより変化することを報告しているが、粘土層やローム層内では天然有機物の付着は疎水性ブラックカーボンの移動を促進することはなかった。これは、おそらく天然有機物を付着したカーボンブラックのサイズ分布が0.241±0.062μmと大きかったためと考えられる。このことから、自然の地層中では疎水性のブラックカーボンの移動は限定的であることが考えられた。一方、親水性のブラックカーボンは粒径0.080-0.190μmであり、pH中性の条件で土層中で移動しやすかった。しかし、粘土層中とローム層中では親水性ブラックカーボンの移動が異なっており、その原因として、陽イオン交換容量(CEC)、土壌中のフミン質含有量、土壌の表面積、流量などによることが示された。CECが大きな土壌中では、ブラックカーボンの移動が妨げられた。土壌中のフルポ酸はカーボンブラック粒子を分解し、粒径を0.010-0.10μmとして、土壌中の空隙に入りやすくするため、クロマトグラフィー効果によりカーボンブラックの流出が遅延した。これらのことから、粒径0.10-0.38μmの大きな粒子のほうが、粒径の小さな粒子よりも移動性が高いことが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Use of carbon black nanoparticles to mitigate membrane fouling in ultrafiltration of river water2010

    • 著者名/発表者名
      Jenyuk Lohwacharin, Kumiko Oguma, Satoshi Takizawa
    • 雑誌名

      Separation and Purification Technology

      巻: 72 ページ: 61-69

    • 査読あり
  • [学会発表] Interactions of engineered soot to natural organic matter and extracellular polymeric substances : Resulting surface modification and field application2010

    • 著者名/発表者名
      Jenyuk Lohwacharin, Kumiko Oguma, Satoshi Takizawa
    • 学会等名
      Fall 2010 ACS National Meeting
    • 発表場所
      Boston, Massachusetts, USA
    • 年月日
      2010-08-26
  • [学会発表] Influence of Natural Organic Matter on Transport of Soot Black Carbon in Saturated Porous Media2010

    • 著者名/発表者名
      Jenyuk Lohwacharin, Kumiko Oguma, Satoshi Takizawa
    • 学会等名
      THE WORLD CONFERENCE ON HUMIC SUBSTANCES & NATURAL ORGANIC MATTER
    • 発表場所
      Puerto de la Cruz, Tenerife, Spain
    • 年月日
      2010-06-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi