研究課題/領域番号 |
09F09308
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤村 京一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師
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研究分担者 |
CHAVALI Vishalakshi 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ショウジョウバエ / 種分化 / 生殖的隔離 / 性的隔離 / 交配後接合前隔離 / 実験室集団 / 分子マーカー / 染色体逆位 |
研究概要 |
本年度はアナナスショウジョウバエとパリドーサショウジョウバエの混合実験室集団を確立するにあたり、さまざまな観点から使用系統の検討・選定を行った。アナナスショウジョウバエにはパリドーサショウジョウバエと同所的な集団と異所的な(熱帯・亜熱帯に汎世界的な分布)集団がある。まず明らかになったことは、形態的特徴から同所的集団にも2つの型があることである。サモア・トンガではアナナスショウジョウバエは体色が黒く、体色の薄いパリドーサショウジョウバエとは容易に区別できる。一方、フィジー・ニューカレドニアではアナナスショウジョウバエの体色はそれほど黒くなく、パリドーサショウジョウバエとも大きくは異ならない。これらの間で種内および種間交配を行うことにより、強い性的隔離は存在するが雑種致死や不妊は示さないことが確認できた。実験結果を数値化するために、産卵数・生存率・精巣の長さ・精子の運動量など、さまざまな適応形質の測定を開始している。また、競争下および非競争下における交配後接合前隔離の存在を明らかにするために、遺伝的マーカーを持ったアナナスショウジョウバエを材料として用いることを考慮し、複数の可視突然変異系統を実験に導入した。一方、実験室集団を確立・維持するための飼育箱を試作し、検討中である。分子マーカーについては、これまでに研究室で蓄積されているデータを検討し、種間で確実に区別のできるPCR-RFLPマーカーを開発しつつある。種特異的な染色体逆位があるため、これを考慮して最終的な分子マーカーの選定を行う予定である。
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