研究課題/領域番号 |
09F09311
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
木下 哲 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授
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研究分担者 |
DIANA Buzas 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | インプリンティング / シロイヌナズナ / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 胚乳 |
研究概要 |
インプリント遺伝子がどのようにDNA脱メチル化を受け、どのように片一方の対立遺伝子のみが活性化されるかは殆ど明らかになっていない。この過程では、DNA脱メチル化を受ける領域の認識・決定、クロマチンリモデリング、ヒストン修飾、塩基除去修復系によるDNA脱メチル化のステップが考えられるが、これらがどのような順番に起こるかも不明である。本研究では、シロイヌナズナ植物を用いて、DNAメチル化を伴って遺伝子不活化状態にあるFWAインプリント遺伝子をモデルにこれらの問題に切り込むことを目的としている。これまでに、インプリント遺伝子FWAの遺伝子発現を指標にして、ゲノムインプリンティングの制御に関わる変異体を複数単離している。昨年度後半より特別研究員がスタートした解析から、m035変異体は受精前の中央細胞においてFWA-GFPリポーターを活性化できないとともに、受精後の胚乳でも遺伝子発現抑制状態はエピジェネティックに受け継がれることが明らかになった。また、DNAメチル化を認識し切断するMcrBC制限酵素による解析から、胚乳におけるFWAプロモーター部位のDNA脱メチル化に影響することも明らかになっている。m035変異体の表現形にも予備的な解析を加え、受精後の初期胚並びに初期胚乳に多面的な表現形を生じることを明らかにた。原因遺伝子座に関しても、およそ100kbの領域に狭められている、さらに連鎖解析により領域を絞るとともに、候補遺伝子の配列決定により変異部位を特定することが可能と考えられる。
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