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2009 年度 実績報告書

動物装着型機器と衛星を用いた海洋環境動態の予測化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09F09317
研究機関名古屋大学

研究代表者

依田 憲  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授

研究分担者 ガバロス ザバラガ  名古屋大学, 環境学研究科, 外国人特別研究員
キーワード海洋生態 / 環境変動 / 生態学
研究概要

高次捕食者がどのように環境を利用しているのかを明らかにするには、詳細な行動情報と利用環境情報が必要である。平成21年度は、海洋や河川などの多様な環境を利用するカワウを題材に、秒単位での行動情報の記録を行った。これまで過去数十年間にわたって害獣として扱われてきたカワウは、非常に警戒心が強く、捕獲が困難である。そこで、カワウの成鳥を捕獲するために、経口麻酔薬を利用した方法を開発した。また、捕獲して行動記録装置を装着した後、再捕獲して装置を回収するために、遠隔切り離し装置の開発を行った。愛知県、岐阜県での実験の結果、カワウの成鳥に行動記録計を装着することに成功し、採餌・飛翔行動データが得られた。高速サンプリングされた加速度情報により、採食トリップ中のカワウの行動が再現された。離巣から最初の潜水までの飛翔時間は7分から15分、最後の潜水を行ってから帰巣までの飛翔時間は6分から13分であった。飛翔速度を一定と仮定すると、カワウの行動圏が推定でき、本種が繁殖地からあまり遠出することがないことがわかった。また、繁殖中のカワウは、離巣後、飛翔・着水を繰り返し、その後潜水を行っていた。深度データには、深度2メートルから6メートルほどの潜水バウトと,深度50センチメートルのごく浅い潜水バウトが含まれており、最大で15メートルの潜水を行っていた,一定深度に長時間留まる潜水が多く、カワウが川や海の底で採食を行うことが明らかになった。今後は、採食行動と位置情報を同時に記録する装置の装着を行い、地理情報システムを用いて、高次捕食者と環境の相互作用を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Nest intrusion and infanticidal attack on nestlings in great cormorants Phalacrocorax carbo : why do adults attack conspecific chicks?2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Inoue, K.Yoda, H.Fujii, H.Kuroki, Y.Niizuma
    • 雑誌名

      Journal of Ethology 2(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バイオロギンクによる鳥類研究(総説)2010

    • 著者名/発表者名
      高橋光周, 依田憲
    • 雑誌名

      日本鳥学会誌 59

      ページ: 3-19

    • 査読あり
  • [学会発表] 風の流れとオオミズナギドリの移動2010

    • 著者名/発表者名
      山口まどか, 綿貫豊, 山本麻希, 依田憲
    • 学会等名
      日本生態学会第57回全国大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-03-17
  • [図書] 動物たちの不思議に迫るバイオロギング2009

    • 著者名/発表者名
      依田憲(共著)
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      京都通信社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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