天然物は創薬にとり魅力的であるが、科学的根拠に乏しいものも少なくない。ナイジェリア蜂蜜は様々な効用(鎮静作用、抗不安作用、血圧降下作用など)を有することが知られているが、その作用機構はほとんど未解明である。 本研究では、ナイジェリア蜂蜜のもつ特に中枢薬理作用に注目して、睡眠、概日リズムとの関係を電気生理学的、薬理学的、分子細胞生物学的に様々な角度から解析して、その作用経路及び機構を明らかにするとともに、不眠や不安の治療薬(食品)としての利用の可能性を追求しようとする研究である。 マウスを用いたストレスに対する内分泌系(コルチゾール、ACTH他)の薬理学的応答測定系を確立した。マウスに対する蜂蜜投与群およびコントロール群での測定を行い、現在解析中である。 また、in vivoフリームビングマウスを用いて脳波EEGの記録システムを確立した。マウスに対する蜂蜜投与群およびコントロール群での測定を行い、現在解析中である。 さらに、概日リズムに対する蜂蜜の影響を調べたところ、マウス線維芽細胞での概日リズム(時計遺伝子Bmal1プロモーターを利用したルシフェラーゼアッセイ系)においては、蜂蜜の濃度に係らず、蜂蜜投与群及びコントロール群での著名な差は認められなかった。
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