研究概要 |
1-ブロモプロパンがラット小脳のミクログリア活性化を引き起こすかどうか、そして1-ブロモプロパン中枢神経毒性における酸化ストレスの役割りを解明するために、動物実験を行った。48匹の雄性ウィスターSTラットを12匹ずつの4群にわけ、1-ブロモプロパン0、400、800、1000ppmに一日8時間、週7日、4週間曝露した。曝露終了時、各群9匹のラットを断頭し生化学的検索のための小脳、血液サンプルを採取した。カルボニル蛋白レベル,thiobarbituricacid reactive substances (TBARS), beta-amyloid, thrombin, reactive oxygen species (ROS)、nitric oxideを、小脳ホモジェネートを用いて測定した。残り3匹のラットを左心室より4%パラフォルムアルデヒドを用いて灌流固定し、抗cd11b(OX-42)抗体を用いた免疫組織化学のために用いた。1-ロモプロパンによって誘導される酸化ストレスは、小脳におけるカルボニル蛋白、TBARSレベルの上昇により明白であった。beta-amyloid, thrombin, ROS、nitric oxide levelsの量依存的増加も観察した。OX-42の免疫組織化学は、1000ppm群でのミクログリア活性化を示した。本研究は、1-ブロモプロパン曝露が小脳におけるミクログリア活性化を引き起こすことを示した。さらに、酸化ストレスが1-ブロモプロパン中枢神経毒性に関与していることがわかった。
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