研究課題/領域番号 |
09F09501
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
伊藤 敦夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究グループ長
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研究分担者 |
李 霞 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 外国人特別研究員
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キーワード | アジュバント / 免疫補助治療 / メソポーラス / リン酸カルシウム / シリカ / 細胞毒性 / シグナル物質 |
研究概要 |
本研究の目的は、「肝癌免疫補助治療用の新規癌ワクチンアジュバント材料を創製すること」である。本年度は、マイクロウエーブ焼灼療法と併用することを前提とし、患部局所に投与可能で、さらに高い効果を有する肝癌免疫補助治療用の新規アジュバント材料を探索した。P123またはCTABをテンプレート化合物に用い、気孔径、粒子形状の異なるメソポーラス体を作製した。生物学的シグナル物質としてはインターロイキン-2(IL-2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、TNF-α、マグネシウム塩などを用いた。リンゲル液、クリニザルツB及びバイフィル専用炭酸水素ナトリウム補充液の混合し、37℃48時間~25℃24時間程度の条件で保持し、キャリアーとシグナル物質の複合化を行った。合成物をX線回折、SEM、化学分析で評価したところ、メソポーラスシリカ・リン酸カルシウム複合体が生成していることを確認した。メソポーラス複合体表面を-NH2基や-SH基で表面修飾する必要はなかった。複合体の結晶相、表面構造、化学組成、シグナル物質担持量を検討するとともに、このようにして得られたメソポーラス複合体を細胞培養液に添加し、当該培養液中でNIH3T3細胞の培養を行い、細胞毒性を評価した。以上の工程を繰り返し、300μg/mLの粒子濃度でも細胞毒性が極めて低い、メソポーラス複合体を調製することができた。メソポーラス複合体のアジュバント活性を測定する準備として、THP-1細胞によるin vitroバイオアッセイ(培養プロトコール)の確認と、予備実験を進めた。
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