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2009 年度 実績報告書

大気CO2増加に対する水稲成長応答の品種間差異のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 09F09515
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

長谷川 利拡  独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 上席研究員

研究分担者 ZHU C.W.  独立行政法人農業環境技術研究所, 外国人特別研究員
キーワード気候変動 / イネ / 大気CO_2濃度 / 光合成応答低下 / 遺伝的変異
研究概要

今後予想される気候変動は界の食料生産に大きな影響を及ぼす。変化が予測されている気象要素のうち、CO2濃度は光合成を促進し作物収量にプラスの影響を与える数少ない要素である。しかし、高CO2による光合成の促進は、生育に伴って低下し、そのことが増収効果を小さくする一因と考えられている。これまでに、品種によっては高CO2による増収効果が比較的高いものがあることがわかりつつある。それらの品種の応答低下の程度を、他の品種と比較するとともに、その違いをもたらす生理的・生化学的機構を明らかにできれば、CO2施肥効果の向上に役立つものと考えられる。そこで、本研究では、日中FACE実験でCO2応答が特徴的であった品種を供試して、同一の実験プラットフォーム(自然光型人工気象室、クライマトロンおよびFACE)で比較実験を行なう。さらに、応答低下の程度を解析することによって、品種間差異のメカニズムの解明を試みる。
本年度は、クライマトロンを用いて、680ppmと380ppmの2水準のCO2濃度で4品種をポット栽培した。4生育ステージで光合成速度の測定を行い、高CO2に対する光合成の応答低下程度を比較した。4品種の光合成速度は、いずれのステージにおいても有意な違いが認められた。一方、高CO2に対する応答に関しては、出穂期まで明瞭な品種間差異が認められなかったのに対し、登熟期には明らかな応答低下を示す品種と示さない品種があることがわかった。さらに、これらの乾物収量を調査したところ、応答低下を示さない品種の方がCO2増加に対する乾物生産も大きい傾向にあることがわかった。以上の結果から、高CO2処理に対する生育、収量応答の品種間差異の少なくとも一部については、個葉のガス交換特性と関連することが示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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