研究概要 |
白金は,触媒として高い活性を持つことが知られており、電池などの電極や工業触媒(自動車の場合は排気ガスの浄化触媒)として広く用いられている。白金の表面積を大きくすると、露出している白金の表面積が増加するため、触媒機能が非常に活性化する。そのため、これまでにもナノ粒子、ナノファイバー、ナノチューブ、ナノ(メソ)ポーラス物質などの様々な白金ナノ材料の合成法が盛んに研究されてきた。また、希少元素の使用量を減らす最近の社会の動きからも、少量の白金で、更に大きい表面積を実現し、高い触媒活性を示す新たな白金ナノ材料の開発が求められている。本研究では、界面活性剤、白金イオン種、溶媒からなる水溶液に還元剤を添加し、金平糖状の形状を有する白金ナノ粒子を高速で合成する。溶液をベースにした合成法を開発する.界面活性剤分子と白金との相互作用を利用し、白金ナノ粒子の表面にナノレベルの凹凸を作り出す。更に、還元剤の量を制御することにより、均一な粒子径を実現し、ナノ粒子が完全に分散した溶液としても得ることができる。表面積は、55m2/g以上であり、今までに報告されているすべての白金ナノ材料中で最も大きい表面積を達成した。また、結晶性も高く熱的安定性も高い.白金以外でも,ルテニウム,パラジウムなどの他の貴金属との合金化を目指し,小型燃料電池の電極材料としての応用を展開している.特に,骨格を合金することによって,さらに活性の高い電極材料を作製できる.
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