研究概要 |
本年度は、環境内の既知構造(特徴)を視覚で追跡することを基本機能として有するヒューマノイドロボットの全身動作によるビジュアル・サーボ手法を,INRIA Rennesにおいて考案された3次元エッジを特徴量として追跡するアルゴリズムに基づく3D Trackerの技術に基づき開発し、我々が保有するヒューマノイドロボットHRP-2に実装し,その有効性を検証した.歩行動作中の既知構造のトラッキング性能については,ヒューマノイドロボットが既知物体に向かって歩いて行く場合は,歩行動作に伴うカメラの揺れ等にかかわらず良好な追従性能が得られたが,既知構造と並行に歩行する場合は,歩行動作に伴うカメラの揺れが大きすぎて,既知構造が追従できないことがあった.これについては,ヒューマノイドロボットの姿勢をカルマンフィルタを用いて推定した情報を用いることにより,性能向上を図れると予想している.これについては次年度に実装する予定である. また、視覚情報に基づく歩行動作の制御手法についても検討を始めている.これは,既知構造のトラッキング情報から,ヒューマノイドロボットの歩行方向のずれを検出し,それに基づきヒューマノイドの足の踏み出し位置を修正するものである.これに関する研究成果をIEEE/RSJ IROS2010に投稿した. なお、本研究に関する研究動向調査および関連成果発表のため、IEEE ICCV2009, RSJ2009, IEEE Humanoids2009に参加するとともに,INRIA Rennes Bretagne AtlantiqueおよびCNRS-LAASを訪問した。
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