研究プロジェクトの第一段階では、データ収集とフィールドワーク実施の準備のために、一般的な調査用具と特別な関連資料を得る必要があった。墨田区と日野市のケーススタディ地区に関する「研究用の文献資料」を揃える目的で、特に「まちづくり及び地元のNPO組織」、「現代の日本の都市計画制度」、そして「新しい地元の社会的運動」といった関連トピックの最近の文献を購入した。 研究員は、墨田区と日野市において現地調査、インタビューを数度にわたって行い、次年度にもそれを継続させる。墨田区の場合、最初の段階として、特定の調査地域を観察し地図化して記録した。研究員は地域風土に慣れた後に、町内の人に接触しインタビューを実施した。目下、25名中17名についてインタビューを実施し、分析済である。 加えて、類似するケースとして江東区も観察し比較対象とした。江東区では、20名中5名のインタビューを実施している。次の段階では、これら地域の比較を行い、共通点と相違点を確認することが目的となる。日野市においては、すでに入手していた多くの視覚的データ、かつ文献上の資料から、より多くの情報を得ることを意図した。加えて、ワークショップでは当地域の様々な人々交流することで研究員は彼らと共に活動への理解を深めている。 研究員は、2010年3月に、ドイツにおけるシンポジウムで研究成果を発表する予定であったが、主催者の事情で2010年5月に延期された。そのため、2010年度には、このドイツでのシンポジウム、他の学会等の様々な機会を用いて研究成果を発表する予定である。
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