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2009 年度 実績報告書

ブラックホールの現象論

研究課題

研究課題/領域番号 09F09749
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 節  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授

研究分担者 DOUKAS Jason  京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
キーワード高次元ブラックホール / 量子エンタングルメント / ブラックホール準固有振動
研究概要

本年度は途中からの採択であったので,これまでの研究の取りまとめを行いつつ,新たな課題への取り組みを始めた。具体的には以下の通りである。
1.7次元以上の一般次元におけるドジッター時空上の回転するブラックホールのグレーボディー因子をテンソルモードに対して求め,ホーキング輻射の効率の計算を行った。また,こうしたブラックホールの摂動計算に関連して,ブラックホールの準固有振動を数値的に効率よく,かつ精度よく計算する方法が必要である。そこで,そのひとつの方法として注目されている,いわゆる漸近反復計算法(AIM)の有効性を確かめるため,非回転の4次元シュバルツシルドブラックホールの準固有振動の計算にAIMを適用した。その結果,AIMが非常に効率よく,十分な精度で準固有振動数が求まることを明らかにした。この後者に関しては,現在論文を投稿中である。
2.ブラックホールからのホーキング輻射の問題は,最近実用的にも重要性を増している量子エンタングルメントの問題に大きく絡んでいる。そこで,相互作用する2つの2レベル検出器を考え,それらを慣性系に対して互いに正反対の向きに一定加速度で加速している系においたときのエンタングルメントの生成と破壊の問題を調べた。その結果,有限の加速度は真空のエンタングルメントを常に減少させる方向に働くことを明らかにした。すなわち,加速による輻射が増加することによって,エンタングルする能力が落ちて行くことが分かった。そして具体的に初期状態がベル状態にある場合のこの系の時間発展を摂動方程式を解いて求め,エンタングルメントに「突然死」が起こるまでの時間を計算した。この成果も現在投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Graviton emission from simply rotating Kerr-de Sitter black holes : Transverse traceless tensor graviton modes.2009

    • 著者名/発表者名
      Jason Doukas, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review D 80

      ページ: 045021-1-11

    • 査読あり
  • [学会発表] Graviton emission from simply rotating Kerr-de Sitter black holes : Transverse traceless tensor graviton modes2009

    • 著者名/発表者名
      Jason Doukas
    • 学会等名
      19^<th> JGRG meeting
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-12-04

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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