我々の最初の成果はヒトの腕の冗長自由度を効率的に扱う手法の開発であり、ヒトと同程度の複雑さを持つアームロボットPA-10への実装に成功している。この研究をまとめた論文は、2010年8月にカナダで行われる国際会議・ASME/IDETCで受理され発表が決定している。 2つ目の成果は、ヒトが物理シミュレーター上に存在する物体を操作できると言う仮想現実空間の構築である。この仮想現実環境を用いた実験により、ヒトの把持運動の解析を詳しく行うことができ、ロボットの制御に役立てることができる。そしてロボットが様々なタイプの物体を自律的に操作するための理論作りに役立つと期待される。PC等購入した実験機器はヒトの運動の解析や、ロボットやシミュレーターをリアルタイムで制御するために用いられている。 ブライアン・ムーア研究員は大阪市立大学理学部数学科へ赴き、枡田幹也教授らが研究しているトポロジー理論が把持動作研究に応用出来るかどうかの可能性を議論した。 また大阪大学のグローバルCOEによるシンポジウムにて、ヒトと機械のインタラクション技術に関する最新の研究成果を聴講し、どのように冗長自由度を持つ複雑なロボットの制御へ応用できるかを検討した。
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