セルロースナノファイバーが均一に分散し、かつマトリックスとの高い相互作用を有するナノコンポジットの調整を目的として、脱リグニンおよび脱ヘミセルロースを行った木粉をグラインダー処理して、幅10-20nmのセルロースナノファイバーを製造した。これをポリビニルアルコール水溶液中に撹拌により均一に分散させた後、シャーレに移し、温度・湿度をコントロールしたチャンバー内でフィルムキャスト法によりナノコンポジットフィルムを得た。温度・湿度を種々変化させて最適な水分除去条件を検討することで、高い透明性を示すフィルムを得ることができた。このことにより、ポリビニルアルコール中にセルロースナノファイバーが均一に分散したナノコンポジットを製造する条件が明らかとなった。このナノ材料について次年度から動的粘弾性や強度特性を評価すると共に、発泡条件の検討を行う。
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