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2010 年度 実績報告書

フランスにおける聖地巡礼/ツーリズムを事例とする現代宗教の変容・再構築の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J00243
研究機関筑波大学

研究代表者

岡本 亮輔  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード聖地巡礼 / ツーリズム / 奇跡のメダル教会 / テゼ共同体 / 世俗化 / 私事化
研究概要

本年度は、前年度のテゼ共同体、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼の調査研究で得られた知見を踏まえた上で、フランスの奇跡のメダル教会の実地調査を中心に進めた。特に9月に行った長期のフランスでの調査では、同教会の運営・活動を通訳ボランティアとして,ホスト・ゲストの双方に対する聞き取りを重視した参与観察を行うことができ、「巡礼のツーリズム化とツーリズムの宗教化の同時的生起」という本研究の根本的主題に関わる貴重な証言を多数得ることができた。また、奇跡のメダル教会は、テゼ共同体とは異なり、19世紀以来の聖母出現(とそこへの巡礼)の先駆となった場所であり、同地についての19世紀以来の史料収集も行った。とりわけ19世紀末に出版された同教会の告解司祭アラデルによる聖母出現をめぐる論考を入手できたのは重要な成果であったと思われる。また本研究では、先に述べたような巡礼とツーリズムの脱分化現象は、特定の地域社会に留まるものではなく、様々な場所に同時的に生起しているという問題設定を行っていた。そうした観点から、これまでにもサンティアゴ巡礼についての概要把握的調査を行ったが、本年度は、フランスのブルターニュ地方のトロ・ブレイス巡礼の復興運動、モン・サン・ミシェルへの新しく作られた歩き巡礼、日本の熊野における世界遺産化の影響と古道を軸とする歩き巡礼の復興運動ついての実地調査を行った。これらに加えて、昨年度の主要テーマであったテゼ共同体の調査も引き続き行った。本年度は、特に日本におけるテゼの集いを重点的に調べ、フランスという文化的・地理的に隔絶した場所を巡礼ツーリストとして訪れる若者たちに聞き取り調査を行うことができ、その過程でラルシュ共同体についての知見も得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 聖なる遺骸の置かれるところ-巡礼ツーリズムのアトラクション-2011

    • 著者名/発表者名
      岡本亮輔
    • 雑誌名

      現代宗教

      巻: 2011(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 弱さと傷つきやすさのエキュメニズム2011

    • 著者名/発表者名
      岡本亮輔
    • 雑誌名

      宗教学・比較思想学論集

      巻: 12(印刷中)

  • [雑誌論文] 聖地巡礼における〈まなざし〉と〈つながり〉2010

    • 著者名/発表者名
      岡本亮輔
    • 雑誌名

      宗教学・比較思想学論集

      巻: 11 ページ: 1-24

  • [学会発表] 巡礼ツーリズム-サンティアゴ・バス巡礼団の事例-2010

    • 著者名/発表者名
      岡本亮輔
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2010-09-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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