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2010 年度 実績報告書

不活性結合切断による新規炭素-炭素結合形成反応の開発と反応機構の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J00295
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 聡  大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード炭素-水素結合切断 / 炭素-炭素結合切断 / ピリジルメチルアミノ基 / カルボニル化 / 安息香酸アミド / ルテニウム触媒 / フタルイミド
研究概要

私はこれまでに、二座配位可能な2-ピリジルメチルアミノ基を配向基とする芳香族オルト位炭素-水素結合の触媒的なカルボニル化を見出し、すでに報告している。具体的には、ルテニウム触媒による2-ピリジルメチル安息香酸アミドと一酸化炭素からのフタルイミド誘導体生成反応である(J.Am.Chem.Soc.2009, 131, 6898)。この研究途上で、芳香環上に置換基を有する基質を用いた場合、目的生成物の他に、別の位置異性体も生成していることがわかった。例えば、パラ位にメチル基を有する基質を用いた場合、本来の目的生成物である5-メチルフタルイミド誘導体に加えて、4-メチル体も生成した。両化合物の生成比は温度によって異なり、125℃で24時間反応させた場合、5-メチル体:4-メチル体=12:1であったのに対し、180℃ではほぼ1:1となった。さらに興味深いことに、メタ位およびオルト位にメチル基を持つ基質をそれぞれ180℃で24時間反応させても、生成物の比はほぼ1:1となった。この生成比は両化合物の熱力学的安定性によるものと考えられる。以上の現象は、いったん生成したフタルイミドのカルボニル炭素-芳香族炭素結合がルテニウム触媒により切断されていると考えることで説明できる。実際、単離した5-メチル体を反応系に入れたところ、この場合もやはり4-メチル体が生成し、その比はほぼ1:1であった。
本研究によりピリジルメチルアミノ基は炭素-水素結合切断のための配向基として作用するだけでなく、炭素-炭素結合切断にも有効であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Chelation-assisted carbonylation reactions catalyzed by Rh and Rucomplexes2010

    • 著者名/発表者名
      茶谷直人、井上聡
    • 雑誌名

      Pure and Applied Chemistry

      巻: 82巻 ページ: 1443-1451

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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