研究課題
今年度の研究では、時刻同期型MACフロトコル(1-MAC)に運動した電源管理システムとデータ収集のための分割SRAMを有する1-chipセンサノードSoCの垂直統合設計を行った。I-MACはノード間で時刻を同期することによって通信手順を最小化し、通信時の電力オーバーヘッドを削減するプロトコルである。I-MACのハードウェア実装を行い、プロセッサ部の動作時電力削減を行った。さらに、I-MACに連動してセンサノードLSIを機能ブロックごとに電源・クロック制御する電源管理回路を提案し、待機時の消費電力を削減した。また、データ用メモリの電源ラインを分割し、送受信データ量にあわせて制御することで、大容量のメモリを用いた場合でもリーク電力を削減できることを示した。以上の提案技術により、通信時、CPU動作時、待機時すべてにおいてセンサノードの消費電力を削減できた。また、CMOS 180nmプロセスを用いてセンサノードLSIの試作を行った。設計したセンサノードはトランシーバ、通信制御用マイクロコントローラ、電源管理モジュール、データ用SRAMから構成される。試作したチップの消費電力測定を行い、ネットワークシミュレータにフィードバックすることによって、ネットワーク環境下におけるノードの平均消費電力を見積もった。その結果、1日に24回のデータ収集を行うネットワーク環境において6.34uW、10分間隔で収集を行うネットワーク環境において58uWの平均消費電力を達成した。今回の試作ではトランシーバ部分の消費電力を重視せず設計を行ったため、最終的に受信機の消費電力が支配的であるという結果が得られた。無線機アーキテクチャの検討により、さらなる低消費電力化が見込まれる。以上の結果により、エナジーハーヴェスティングによるバッテリレスセンサノードのために必要なサブuWの平均消費電力達成の見通しを得た。
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IEICE Transactions on Electronics vol.E93-C, no.3
ページ: 261-269
http://www28.cs.kobe-u.ac.jp/~shin/