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2010 年度 実績報告書

有機フッ素化合物の新規構築法の開拓及び材料化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 09J00720
研究機関中央大学

研究代表者

南 安規  中央大学, 研究開発機構, 特別研究員PD

キーワードニッケル / ホウ素 / ポリフルオロベンゾニトリル / アルキン / 不活性結合活性化 / パラジウム / イミノスルフィド
研究概要

今年度は、交付申請書に記載したとおり、遷移金属触媒を用いた各種ポリフルオロ炭素官能基を他の有機分子へ直接導入する方法の開発を行った。特に、導電性高分子の主鎖、生体材料などといった材料化学の分野で重要性が増しているポリフルオロアリール基のアルキンへの直接導入法を研究した。その結果、ニッケル/ホウ素協働触媒を用いるとポリフルオロベンゾニトリルの炭素-シアノ結合を選択的に活性化し、芳香基とシアノ基をアルキンへ付加させることに成功した。その結果、多様な骨格を有するポリフルオロアリールアクリロニトリルが合成法できるようになった。本反応は、比較的切断されやすいアリール炭素-水素およびフッ素結合を反応させることなく、本来不活性な炭素-炭素結合を選択的に反応使用するものであるので、ポリフルオロアリール基を直截的に導入する実用的意義だけでなく、学術的意義も高い。このほかに、パラジウム触媒を用いたトリフルオロメチルイミノスルフィドのイミノ炭素-硫黄結合の選択的活性化、続くアルキンへの付加も見つけた。本反応生成物はトリフルオロメチル基を有する多くの化合物へと容易に変換でき、実際にフラン誘導体を合成している。
これらの反応は、目的のポリフルオロ炭素官能基だけでなく、合成化学上有用なシアノ基と硫黄官能基を同時にアルキンに導入できるため、各種液晶材料や導電性高分子、複雑な医薬品等の変換に利用できると考えている。また、見つけた方法は、トリフルオロメチル基をいまだ達成例のないアルキンへの付加させる新反応開発の掛かりになると期待できる。今回得た情報を利用すると、十分に達成できると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pd-Catalyzed Regioselective Iminothiolation of Alkynes : A Remarkable Effect of the CF_3 Group of Iminosulfides2010

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Minami, Hitoshi Kuniyasu, Atsushi Sanagawa, Nobuaki Kambe
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 12 ページ: 3744-3747

    • 査読あり
  • [学会発表] Palladium-Catalyzed Iminothiolation of Alkynes2010

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Minami, Hitoshi Kuniyasu, Atsushi Sanagawa, Nobuaki Kambe
    • 学会等名
      The Sixth International Symposium on Integrated Synthesis
    • 発表場所
      神戸市、兵庫県
    • 年月日
      2010-10-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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