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2009 年度 実績報告書

ヘムタンパク質から構成されるユニークな超分子集合体構築法の開拓とその機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 09J00734
研究機関大阪大学

研究代表者

大洞 光司  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードヘムタンパク質 / 生体材料 / 超分子化学 / ミオグロビン / ナノマテリアル / ホスト-ゲスト / 自己集積 / 酸素貯蔵
研究概要

近年、タンパク質を自由自在に集積化させ、得られる集合体を高触媒活性膜や薬物輸送などの生体材料として利用する試みが注目を集めている。しかしながら、タンパク質を集積化させる手法はまだ確立されておらず、機能を持つ集合体となると、ほとんど報告例がないというのが現状である。そこで我々は潜在的に機能を有するヘムタンパク質に着目し、以前に、ヘムとタンパク質マトリクスの特異的な相互作用を利用したヘムタンパク質の集積化に成功し、タンパク質集合体構築法の手法の一つとして提案している。
本申請者は、本年度、タンパク質集合体の機能化をめざして、酸素貯蔵ヘムタンパク質であるミオグロビンを素材とし、その集合体の構築を試みた。以前に取り組んだヘムタンパク質に比べ、ミオグロビンは機能的に魅力のあるタンパク質である。結果として、ミオグロビンを単量体とする数百ナノメートル程(100量体程)の直鎖状集合体の構築に成功した。さらに本来の機能である酸素の貯蔵能について評価したところ、天然のミオグロビンの酸素貯蔵能を維持していることが明らかとなった。この機能の維持と適度なサイズは、人工血液としての可能性を示唆するものである。一方で、一酸化炭素やシアン化物イオンなどの小分子により集合体の構造を安定化させることができることも明らかとなり、薬物輸送などを実現する刺激応答性マテリアルへの展開も期待することができる。今後、この集合体を基盤とした実用的な生体材料の開発およびより高次のタンパク質集合体構築に向けて研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] ミオグロビンの超分子集積化および得られる集積体の特徴的な性質2009

    • 著者名/発表者名
      大洞光司、小野田晃、林高史
    • 学会等名
      第24回生体機能関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      2009-09-14
  • [学会発表] Function of Myoglobin-Based Supramolecular Assembly2009

    • 著者名/発表者名
      大洞光司、小野田晃、林高史
    • 学会等名
      14th International Conference on Biological Inorganic Chemistry
    • 発表場所
      愛知県名古屋市
    • 年月日
      2009-07-30
  • [学会発表] Supramolecular Polymerization of Oxygen Storage Hemoprotein Using Heme-Heme Pocket Interactions2009

    • 著者名/発表者名
      大洞光司、小野田晃、林高史
    • 学会等名
      Interanational Workshop on Biofunctional Chemistry for Young Scientists
    • 発表場所
      兵庫県淡路市
    • 年月日
      2009-07-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~hayashiken/

  • [産業財産権] ヘムタンパク質ポリマーが架橋された構造体2009

    • 発明者名
      林高史・大洞光司・小野田晃
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権番号
      特願2009-208054
    • 出願年月日
      2009-09-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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