研究概要 |
本研究では、動脈伸展性の改善効果が期待できる新たな物質として,乳酸菌のカゼインから抽出されるラクトトリペプチド(LTP)に着目した.LTPにはアンギオテンシン変換酵素(ACE)の阻害作用があり,血圧を下げる効果が証明されているペプチドである.本研究では、LTPが血管機能に与える影響を検討することを主な目的とした。 本年度は、前年度で動脈機能を高める効果が確認されたLTPを用い、有酸素性運動トレーニングを併用させて、動脈機能を相加的に向上させるかどうかを検討した。閉経後の中高齢女性を対象とし、8週間のLTP摂取と有酸素性運動トレーニングを併用させ、動脈機能に与える影響を検討した。動脈機能を評価するものとして、動脈伸展性と血管内皮機能を測定した。その結果、LTPと有酸素性運動を併用させることによって、LTP単独、有酸素性運動単独よりも動脈伸展性と血管内皮機能が向上した。継続的なLTP摂取と有酸素性運動トレーニングを併用させることで,相加的な効果が得られる可能性が示唆された. 上記の研究結果を論文としてまとめ、国際誌に投稿し、Am J Hypertensに受理された。
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