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2011 年度 実績報告書

鉄およびコバルト触媒の特長を活かした弱い求核剤を用いるカップリング反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09J01083
研究機関京都大学

研究代表者

今崎 雄介  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードルテニウム触媒 / アリールトリフラート / ハロゲン化アリール / ハロゲン化 / 置換反応
研究概要

私は昨年度までに,当初計画していた鉄やコバルト触媒ではなく,低原子価のルテニウム錯体を用いることで目的とする反応の開発に成功した.そして、[Cp^*Ru(MeCN)_3]OTfを触媒として用いることでアリールトリフラートをハロゲン化アリールへと変換することが可能であることも見つけていた.今年度はまず,アリールトリフラートをハロゲン化アリールへと変換するに有効であった[Cp^*Ru(MeCN)_3]OTfがアルケニルトリフラートに対し非常に高い活性を示し,温和な条件,短時間でハロゲン化アルケニルへと変換できることを見つけた.さらに,アルケニルトリフラートだけではなく,より求電子性が低く安定なアルケニルトシラート,ジフェニルスルホナートも変換可能であった.
また,アルケニルトリフラートがアリールトリフラートよりも著しく反応性が高いことや,立体化学の情報に加え,アリールおよびアルケニルトリフラートの置換基の反応性への影響などを調べることによって反応中間体に関する知見を得た。その結果,アルケニルトリフラートの変換反応は1-ルテナシクロプロペンまたは|^2-アルケニルルテニウム中間体を経ているのに対し,アリールトリフラートの変換反応は|^1-アリールルテニウム中間体を経て反応が進行しているらしいということがわかった.
特に,1-メタラシクロプロペンまたは|^2-アルケニルメタル中間体を経るような形式でアルケニルトリフラートを活性化するような遷移金属触媒反応は過去に例がなく,ルテニウム錯体の新しい性質を発見した学術的意義は大きいと言える.また,アリールおよびアルケニルトリフラートをハロゲン化物へと変換する反応を用いれば,フェノールやカルボニル化合物といった入手容易から簡便にハロゲン化アリール,アルケニルといった有用な合成中間体を合成できるため,この研究成果は,有機合成の観点からも価値のあるものと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Coupling Reaction of Alkenyl Triflates with Zinc Thiolates2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Imazaki, E.Shirakawa, T.Hayashi
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 67 ページ: 10212-10215

    • DOI

      10.1016/j.tet.2011.09.145

    • 査読あり
  • [学会発表] ルテニウム触媒を用いるアリールおよびアルケニルトリフラートとヘテロ原子求核剤の反応2011

    • 著者名/発表者名
      今崎雄介, 白川英二, 林民生
    • 学会等名
      第31回有機合成若手セミナー
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-11-16
  • [学会発表] ルテニウム触媒によるアリールおよびアルケニルトリフラートとヘテロ原子求核剤の反応2011

    • 著者名/発表者名
      今崎雄介, 白川英二, 林民生
    • 学会等名
      第58回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011-09-08

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公開日: 2013-06-26  

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