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2010 年度 実績報告書

ウイルスによるオートファジー誘導とclass II MHCへの抗原提示機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09J01368
研究機関北海道大学

研究代表者

有木 宏美 (高木 宏美)  北海道大学, 大学院・医学研究所, 特別研究員(PD)

キーワードオートファジー / 麻疹ウイルス / ポリオウイルス / type I IFN
研究概要

本研究ではウイルスによるオートファジー誘導の分子機構とその意義を明らかにすることを目的として研究を行っている。今年度はRNAウイルスである麻疹ウイルスを用いて感染時にオートファジーが誘導されるかについて検討を行った。麻疹ウイルスのエントリー受容体であるSLAMを発現させたVero細胞、A549細胞に麻疹ウイルスを感染させてもLC3 punctaは形成されず、ポリオウイルスとは異なり、麻疹ウイルス感染ではオートファジーは誘導されないことが明らかとなった。ポリオウイルス感染によるオートファジー誘導にはポリオウイルス自身のタンパク質が必要であり、宿主側のRNA認識受容体は必須ではなったことから、麻疹ウイルスにはオートファジーを誘導する分子がないことが推測された。
麻疹ウイルスには野生株とワクチン株があり、野生株感染時にはI型IFNの発現誘導が抑制されるが、ワクチン株ではその発現は抑制されない。この株間の相違の原因を解明するために、我々は麻疹ウイルスにコードされるVタンパク質に注目して解析を行った。野生株由来のVタンパク質はRNA認識受容体の一つであるMDA5と結合することができたが、ワクチン株由来のVタンパク質は結合できず、MDA5の下流シグナル分子であるIRF3の活性化も抑制できなった。Vタンパク質のアミノ酸配列を比較したところ、ワクチン株には7か所変異が入っており、点変異を導入したVタンパク質を用いた解析から272番目のCys残基がMDASの結合とIRF3の活性化抑制に必要であることが明らかとなった。以上の結果から、この変異がワクチン株と野生株のI型IFNの誘導能の原因の一端を担っていると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Strain-to-strain difference of V protein of measles virus affects MDA5-mediated IFN-b-inducing potential.2011

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Takaki
    • 雑誌名

      Molec.Immunol.

      巻: 48 ページ: 497-504

    • 査読あり
  • [学会発表] Suppression mechanism of the type I interferon-inducing pathways by wild-type measles virus infection2010

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Takaki
    • 学会等名
      ICI2010
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場
    • 年月日
      2010-08-24
  • [学会発表] 麻疹感染の宿主応答2010

    • 著者名/発表者名
      高木宏美
    • 学会等名
      日本ウイルス学会北海道支部会夏季シンポジウム
    • 発表場所
      洞爺湖万世閣ホテル
    • 年月日
      2010-07-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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