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2009 年度 実績報告書

国境を越えるスポーツ文化-ドミニカ共和国からアメリカに渡る「野球移民」の民族誌-

研究課題

研究課題/領域番号 09J01518
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

窪田 暁  総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員DC2

キーワード「野球移民」 / ドミニカ共和国 / 野球文化 / トランスナショナリズム / 移民とスポーツ
研究概要

本研究の目的は、ドミニカ共和国(以下、ドミニカ)からアメリカに渡る野球選手を対象とし、彼らの移動経験とスポーツを介した国際移動の実態を民族誌的に記述することを通して、「野球移民」の背景にある近代スポーツ文化の「土着化」の過程を明らかにし、国際移民研究のなかに「野球移民」を位置づけることである。
そこで、平成21年度は(1)ドミニカ国内の野球システムについての実態調査(2)野球がどのように土着化しているのかを解明する(3)アメリカのドミニカ移民コミュニティにおける野球への関わりについて重点的に調査する計画をたてた。(1)の調査では、ドミニカにあるMLB球団が所有するべースボールアカデミーにおいて、関係者および選手にインタビュー調査をおこない「野球移民」創出の多様な背景があきらかになった。(2)に関しては、ひとつのコミュニティにおける参与観察を継続中であるが、その過程で野球が、人々の日常生活や価値観を規制していることがあきらかとなった。また、(3)のアメリカでの移民コミュニティでおこなったインタビューならびに参与観察からは、移民社会において野球が祖国と移民をつなぐ役割をはたしている様相を観察することができた。
これらの調査結果は、研究代表者が「野球移民」と呼ぶカテゴリーの実在性を、完成された選手送出システムとドミニカに根ざした野球の文化性の事例から実証可能であることを示している。先行研究が野球の伝播やスポーツ帝国主義の視点で論じてきたことで野球選手の移動とその背後にあるスポーツの文化性については見過ごされてきた。本研究は、「野球移民」という視点を導入することで新たな知見を提供する。そのための重要な調査結果が得られたことから、当該年度の研究成果は大きかったといえよう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 移民とスポーツ-アメリカのドミニカ系移民の事例から-2010

    • 著者名/発表者名
      窪田暁
    • 学会等名
      日本スポーツ人類学会
    • 発表場所
      沖縄県・名桜大学
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] ドミニカ系コミュニティにおける言語使用について2009

    • 著者名/発表者名
      窪田暁
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究会
    • 発表場所
      大阪府・国立民族学博物館
    • 年月日
      2009-12-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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