研究概要 |
次世代型ディスプレイとして期待されるシステム・イン・ディスプレイの実現を目指し,透明基板(ガラス・石英等)上に高品質薄膜トランジスタを形成することを目的として,高いキャリア移動度を有するシリコンゲルマニウム(SiGe)擬似単結晶粒(結晶粒径:>30μm)をガラス軟化温度(~500℃)以下で形成する手法を検討した. 研究代表者は,SiGeのアルミニウム(Al)誘起層交換成長(成長温度:400~450℃)に与える界面酸化膜の効果を詳細に調べてモデル化すると共に,酸化膜厚を原子層レベルで制御して,透明基板上に(100)及び(111)方位を有するシリコン(Si)擬似単結晶薄膜(結晶粒径:30~100μm)を創製した.更に,この面方位の制御されたSi結晶をゲルマニウム(Ge)横方向エピタキシャル成長のシードに用いることで,(100)面及び(111)面に制御された単結晶Geを透明基板上に実現した.得られたGeは無欠陥であり,高いキャリア移動度(~1000cm^2/Vs)を示した.透明基板上における単結晶Geの結晶方位制御技術の創出であり,次世代ディスプレイの飛躍的な性能向上に直結する成果である.
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