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2010 年度 実績報告書

ATLAS実験における湯川結合定数測定、及びSUSY粒子探索

研究課題

研究課題/領域番号 09J01912
研究機関大阪大学

研究代表者

廣瀬 穣  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード素粒子実験
研究概要

2010年3月末に重心系エネルギー7TeVでの陽子-陽子の衝突データの取得がLHC-ATLAS実験に於いて開始され、新物理の探索や標準模型の検証に向けてデータの蓄積を開始した。本年度はその実験初期の衝突データを用い、トップクォークの対生成断面積の測定を行った。トップクォークは生成後、即座にほぼ100%の確率でボトムクォークとWボソンに崩壊すると考えられている。その為、良いボトムクォークの供給源になり、本研究課題の遂行に於いて重要な役割を占めるボトムクォーク同定アルゴリズム(b-tagging)の性能の理解に重要となる。また、トップクォークは比較的実験初期に利用可能な粒子である、新物理探索時には主な背景事象になる等の理由から、その生成過程を理解することは重要な課題である。
生成断面積測定には終状態に荷電レプトンを二つ含むモードを用いた。荷電レプトンは実験的には同定しやすい粒子であるため、元々信号対背景事象比(SN比)が良い。本研究では事象選別にb-taggingを用いることでSN比を更に高め、測定精度を上げることを考えた。また、実験初期に於けるb-taggingの性能を確認する意味でもb-taggingを用いることに意味があった。実際に測定するにあたり、b-tagging有り、無しの2通りの方法で測定を行った。b-taggingを用いることにより統計誤差の面では不利であるが、系統誤差を抑えることが出来るため測定精度はほぼ同等であった。このことは実験初期に於いてb-taggingが十分に有用であることを示すに足る結果であると考えている。また、この研究の過程でb-taggingアルゴリズムの理解が進んだため、研究課題遂行に向けて着実に準備が整っていると考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Measurement of the top quark-pair production cross section with ATLAS in pp collisions at √s=7TeV2011

    • 著者名/発表者名
      G.Aad, M.Hirose, et al.
    • 雑誌名

      The European Physical Journal C

      巻: 未定(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Charged-particle multiplicities in pp interactions at sqrt(s)=900 GeV measured with the ATLAS detector at the LHC2010

    • 著者名/発表者名
      G.Aad, M.Hirose, et al.
    • 雑誌名

      Physics Letters B

      巻: Vol.688, Issue 1 ページ: 21-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Search for New Particles in Two-Jet Final States in 7 TeV Proton-Proton Collisions with the ATLAS Detector at the LHC2010

    • 著者名/発表者名
      G.Aad, M.Hirose, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: Vol.105, Issue 16

    • 査読あり
  • [学会発表] ATLAS実験におけるdi-lepton終状態を用いたトップクォーク対生成事象の解析2010

    • 著者名/発表者名
      廣瀬穣
    • 学会等名
      日本物理学会 2010年秋季大会
    • 発表場所
      九州工業大学(福岡県)
    • 年月日
      2010-09-13

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公開日: 2012-07-19  

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