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2010 年度 実績報告書

16-17世紀イスタンブル都市民の人的社会結合と生活心性についての社会史研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J02148
研究機関東京外国語大学

研究代表者

宮下 遼  東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 特別研究員(PD)

キーワード社会史 / 各国文学・文学論 / 東洋史 / 地中海通文化比較研究 / ヨーロッパ文学
研究概要

本研究「16-17世紀イスタンブル都市民の人的社会結合と生活心性についての社会研究」の目的は、社会経済史、制度史にのっとって行われてきた従来研究ではほとんど扱われてこなかった心性史の領域における空隙を補填することで、最終的には社会史研究全般の立ち遅れが指摘される中東都市史研究における新しい研究モデルを提示することある。そのために研究遂行者は一貫して、トルコ史研究において主要史料とされてきた文書史料ではなく、叙述史料を扱ってきた。すでに前年度までの研究においてオスマン朝選良層、および西欧人旅行者の言説空間における定型イメージ(トポス)の抽出と考察を終えたため、当該年度は人的社会結合と民衆の生活心性の解明を行うため、主に十七世紀の庶民的名士、通俗的名士によって著された地誌史料『旅行記』、『イスタンブル史』といった地誌史料の検討を行った。そこでは、従来研究ではまったく触れられてこなかった民衆蔑視の定型記述という選良層におけるトポス、および迷信という庶民層におけるトポスの存在を、それぞれテクスト的に裏付けることができた。また、この作業と並行して都市民の人的社会結合の解明という論題に関しては、十六世紀のオスマン朝選良層が著した警世的な叙述史料群の中の民衆についての記述を検討することで、都市内における人的社会結合の場(珈琲店、酒場、サロン)を比定し、それが世情不安を引き起こす要因として、同時代人には理解されていたという人的社会結合の実態を解明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] (書評)「林佳世子『オスマン帝国500年の平和』(興亡の世界史一〇巻)」2010

    • 著者名/発表者名
      宮下遼
    • 雑誌名

      環

      巻: 41 ページ: 360-363

  • [図書] 無垢の博物館(上下巻)2010

    • 著者名/発表者名
      オルハン・パムク(著)、宮下遼(訳)
    • 総ページ数
      790
    • 出版者
      ハヤカワ書房

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公開日: 2012-07-19  

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