Modified cubic super-SFTの作用は、picture数を変化させる演算子、picture-changing operator(PCO) を含んでいる。この演算子は非自明なカーネルを持つため、modified cubic super-SFTの作用は、BRST演算子Q_Bに関するゲージ対称性に加えて、PCOのカーネルに起因するゲージ対称性を持つ。これらのゲージ対称性のゲージ固定は、Rセクターについては矛盾なく固定する方法が知られていたのに対し、NSセクターについては満足のいく形では行われていなかった。我々は、modified cuhic super-SFTのNSセクターのゲージ固定について相補的な二通りの方法を用いて研究を進め、Batalin-Vilkovisky (BV)形式の応用や、プロパゲータを求めるなど幾つかの重要な進展を得た。 (1)カーネル自由度を除いた弦場を成分で表す方法 我々は、PCOのカーネルの自由度を取り除いた弦場を成分場の形で具体的に書き下した。この制限された弦場の空間内では、作用に含まれるPCOは非縮退の計量として振る舞い、カーネルに関するゲージ自由度は固定されている。また、この部分空間内でBV形式を用い、残るQ_Bに関するゲージ対称性を固定できることを示した。我々は、BVマスター方程式を満たす作用は、もとのゲージ不変な作用において、弦場をゴースト数の制限を持たないものに置き換えて得られることを示した。さらに、PCOのカーネルの自由度を除いたcomponent fieldを場と反場の成分にそれぞれ分け、反場を消去するゲージ固定条件を課すことで、ゲージ固定を行った。 (2)射影演算子を用いたゲージ固定 我々は、non-localな射影演算子を用いることで、modified cubic super-SFTにおいてSiegel条件(摂動論に便利なBosonic SFTのゲージ固定条件)に対応するゲージ固定を行った。この方法により、摂動論への応用に適したプロパゲータを求めることができた。しかし一方で、場と反場の成分を具体的に求めることやゲージ固定された場のBRST変換の評価が難しいという欠点を持つこともわかっており、これらの点についてはさらなる研究が必要である。
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