研究概要 |
本研究はC_4植物におけるNDH循環的経路の機能を明らかにすることを目的とする。特にC_4植物のCO_2濃縮経路とNDH経路との関係性を解明するため、NDH経路を抑制(欠損)したC_4植物の変異株を作出(探索)し、その表現型の解析をおこなう。研究の初年度はC_4植物の変異株の作出(探索)を目標に、以下2通りのアプローチをおこなった。 (1)形質転換が可能なキク科のC_4植物フラベリアを材料としたRNAiによるNDH経路抑制株の作出 (2)トウモロコシのトランスポゾン挿入変異株ライブラリーでのNDH経路変異株の探索 (1)について 3NDH経路の活性に必須なサブユニット遺伝子のフラベリアホモログをターゲットとしたRNAiベクターを構築してアグロバクテリウム法(Chitty et al., 1994)によりフラベリアのNDH経路抑制株の作出を試みた。現在のところ再分化シュートが多数得られているところであり、今後はシュートが成長するのを待ってゲノミックPCRにより目的のRNAi配列が導入されているかどうか確認する。 (2)について トウモロコシ(Zea.mays)の変異株探索はトランスポゾン挿入変異株ライブラリーPhotosynthetic mutants library(http://pml.uoregon.edu/)を管理するオレゴン大学のBarkan教授のグループと共同研究でおこなった。研究員自身はNDH経路に必須なサブユニット遺伝子のトウモロコシホモログ配列とコピー数を配列データベースから推定した。それら推定配列に基づいてシングルコピーと推定された2つのNDHサブユニット遺伝子にっいて、研究員は遺伝子特異的プライマーとプローブの設計し、共同研究者にトランスポゾン挿入変異株の探索を依頼した。その結果、トランスポゾン挿入変異株が3ラインみつかった。
|