研究概要 |
本研究課題では、脳の形態形成および神経発生に関与する遺伝子Sbnolの分子メカニズムを解明することを目的としている。 El4.5のマウス胎児脳初代培養系を用いて、マウス大脳皮質にエレクトロボレーション法にようってSbno1のRNAiを導入し遺伝子阻害を行った結果、神経分化が抑制された。さらにSbno1がNotchシグナルに関与するHes1,Hes5、Dll-1遺伝子の発現を制御することを明らかにした。すなわち、Sbnolを遺伝子阻害するとNotchのリガンドであるD11-1の発現がdownregulateされること、一方でNotchのエフェクターであるHes5およびHes1がupregulateされることが明らかになった。また、Notchのインヒビター(DAPT)を用いた実験あるいは、caNotchを用いた実験結果により、Sbno1がNotchシグナルの下流で機能することを明らかにしたが、これは、Sbno1とSu(H)が結合するとという結果と一致する。 以上の所見から、Sbno1はネガティブレギュレーターとしてNotchシグナルを抑制することでニューロン分化を促進する因子であることが示唆された。 神経幹細胞マーカーMusashiの発現を確認したところ、sbno1をKDした細胞で強い発現が確認されました。したがって、Sbno1ノックダウンした細胞は神経幹細胞の状態を保持していることも示唆された。
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