研究概要 |
本年度は、地球マグネトシースにおけるミラー不安定性とLモード電磁イオンサイクロトロン(EMIC)不安定性の競合関係、ミラー不安定性の非線形発展段階における、magnetic peaks, decreaseの生成に関するシミュレーションを行った。両不安定性の競合関係に関しては、1.空間三次元性、2.初期擾乱レベルの差、3.各不安定性の非線形発展の違いが重要であることを明らかにし、論文誌Journal of Geophysical Research, Space Physicsに投稿し、出版された。ミラー不安定性の非線形発展に関しては、1次元シミュレーションとの比較によって3次元性がmagnetic peaks/decreasesのどちらの生成に寄与するかを調べた。また新たに開発した3次元開放境界モデルにおけるmagnetic peaks, decreasesの時間発展を明らかにした。また、京都大学学術情報メディアセンター中島研究室との共同研究により、負荷分散された超並列3次元ハイブリッドコードの開発を行った。中島研究室においてOne-Handed Helpと呼ばれる負荷分散手法が開発され、それが3次元ハイブリッドコードに実装された。現在は改良コードのテストシミュレーションを行っているが、実行速度およびスケーラビリティが飛躍的に改善されたことが確認できた。従来は大規模のために困難であった、ミラー不安定性の非線形発展に関するシミュレーションのパラメータ解析が可能となることが期待できる。
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