研究課題
本年度は、GABA_BR1サブユニット遺伝子欠損マウスを用いた骨表現型の解析結果を元にして、軟骨細胞成熟に対するGABA_BR1の機能をさらに追求するため、Activated tlanscriptional factor 4(ATF4)に着目した。ATF4は現在までにGABA_BR1と物理的相互作用することや、軟骨細胞成熟に必須であるIndian hedgehog(Ihh)プロモーター上に結合することが報告されている。そこで、ATF4結合配列が6つ並んだレポーターベクターを作製し、ルシフェラーゼ活性を測定した。その結果、ATF4を遺伝子導入することでルシフェラーゼ活性は有意に上昇し、さらにATF4とGABA_BR1を同時に遺伝子導入する事で相乗的なルシフェラーゼ活性の増加が認められた。次に、WTおよびKO軟骨細胞をATF4抗体を用いて免疫染色した結果、ATF4の核内における発現量は有意に減少していた。さらに、我々はGABA_BR1サブユニット遺伝子欠損マウス由来の軟骨細胞から核抽出画分を調製し、Ihhプロモーター上のATF4結合配列を含むプローブを作製し、EMSAを行った。その結果、ATF4とプローブの複合体はWTおよびKO軟骨細胞のいずれの核抽出液でも検出されたが、その複合体の量はKO軟骨細胞の核抽出液を添加した群で著明な減少が観察された。GABA_BR1サブユニットの新規機能として受容体だけでなく、転写因子との結合を介する軟骨細胞成熟の調節といった新規の機能をもつことが明らかとなった。高齢化に伴って、骨関節組織の機能障害患者数が飛躍的に増大する現代社会では、このGABAによるシグナル伝達機構の機能的発現が示されることにより、骨折の治癒、変形性関節症をはじめとする軟骨代謝性骨疾患発症に関与する新たな因子として、GABAが機能する可能性も考えられ、これらの成果は現在国際学術誌に投稿中である。
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