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2011 年度 実績報告書

近代日本における「技術」言説をめぐる思想的考察

研究課題

研究課題/領域番号 09J03317
研究機関京都大学

研究代表者

金 仙花  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード近代超克論 / 京都学派 / フランクフルト学派 / 西田哲学 / 近代批判 / 西谷啓治 / 李禹煥 / ポイエシス
研究概要

本研究は、近代日本における「技術」言説をめぐる思想的考察を主なテーマにして行なってきた。平成23年度は本研究の最終年度のこともあり、今まで行なわれてきた研究をまとめるべき年度でもあるが、本研究が日本思想と西洋哲学との比較という方法論を用いて研究を進めていることもあり、その比較という射程がだんだん広くなっていて、短期間でその成果を出して処理することに難しさを感じ、研究の方向性に少し悩んでいた。しかし、様々な角度から日本思想のもつ生産性や可能性を導出するため奮闘した結果、少しの成果を出すことができた。平成23年度の研究は、具体的に8月の立命館大学の日韓若手研究者国際学術フォーラムでの研究発表「「近代超克論」から見られる近代認識と宗教性」を発表し、少しその方向性を定めることができた。その発表では1942年に開かれた座談会「近代超克論」で語られた京都哲学派を含めた日本知識人たち、とくに西谷啓治の言説分析を通じて、今まで戦争イデオロギーという側面に焦点が当たられていた「近代超克論」の否定性をカッコに入れ、その封印されてきた彼らの言説を内在的に解剖しその言説のもつ思想性を積極的に評価しようと試みた。内容としては、彼らの近代批判、つまり科学的世界観への徹底した批判が、のちに『啓蒙の弁証法』を通じて近代啓蒙の精神がもつ神話性や暴力性を辛辣に批判したフランクフルト学派の問題意識を先取りしていった点を論証した。このような成果を活字化し、のちに韓国の雑誌「日本文化研究」に「近代超克論という問い-近代認識と宗教性を中心に-」というタイトルで投稿し、そのテーマの新しい視点や独創性、学術的寄与度が高く評価され、掲載が決定した。また、西田哲学や京都学派の問題意識を中心にそのポイエシスの観点から近代芸術の問題を批判的に取り組む芸術活動を行なっている、画家李禹煥(Lee U Fan)の世界観を思想的に考察した批評文「李禹煥の場、その無現の開きのため」を雑誌、「ART CRITIQUE」2号に掲載した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近代超克論という問い-近代認識と宗教性を中心に-2012

    • 著者名/発表者名
      金仙花
    • 雑誌名

      日本文化研究(韓国)

      巻: 42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 李禹煥の場、その無現の開きのため2012

    • 著者名/発表者名
      金仙花
    • 雑誌名

      ART CRITIQUE

      巻: 2

  • [学会発表] 近代超克論から見られる近代認識と宗教性2011

    • 著者名/発表者名
      金仙花
    • 学会等名
      第6回RICKS次世代研究者フォーラム
    • 発表場所
      立命館大学(京都府)
    • 年月日
      20110802-20110804
  • [図書] 現代韓国を学ぶ2012

    • 著者名/発表者名
      金仙花(分担執筆)
    • 総ページ数
      115-150
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2013-06-26  

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