研究概要 |
回帰モデルのパラメータを推定する際に,最も精度良く推定できる説明変数の組はD-optimal designと呼ばれ,行列式を用いて特徴付けられる.一般的には回帰モデルに対してD-optimal deslgnは求めることは困難であり,限られた一部の回帰モデルに対してのみD-optimal designが求められているのが現状である. 該当年度の前年に研究者は,事前情報付き多項式回帰モデルに対するD-optimal designを求める方法を提案した.これは,離散可積分系である離散Lotka-Volterra方程式を用いて計算するアルゴリズムであり,カノニカルモーメントと離散可積分系との関係を利用している. 該当年度では,事前情報付き三角回帰モデルに対するD-optimal designの計算アルゴリズムを提案した.これは,離散可積分系である離散modified Korteweg-de Vries方程式を用いて計算するアルゴリズムである.また,事前情報付き多項式回帰モデルに対するロバストなD-optimal designの計算アルゴリズムを提案した. 今後は,線形回帰モデルの対称性や,多項式回帰モデルと三角回帰モデルの関係,および計算テクニックなどを駆使し,計算量を落としより複雑なモデルに対するD-optimal designをより高速に計算できるアルゴリズムを目指す.また,離散可積分系の多様性を利用し,さらに一般的なモデルに適応できるアルゴリズムを考えていく.
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