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2010 年度 実績報告書

複雑経路網の自己組織化形成メカニズムとフラクタル性

研究課題

研究課題/領域番号 09J03752
研究機関北海道大学

研究代表者

川崎 文也  北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードフラクタル / 臨界現象 / 複雑系
研究概要

本年度はこれまでの研究で得られた複雑ネットワークの臨界的性質に関する知見を基に、臨界点近傍におけるクラスター・サイズ分布関数に対するスケーリング理論を構築する。複雑ネットワークにおける臨界性とフラクタル性との間の関係については、これまでの我々の研究により多くのことが明らかになっている。しかしながら、ネットワークの臨界性を自己組織化臨界現象と結びつけるには、複雑ネットワーク構造の臨界的振る舞いに関するより深い理解が必要になる。そこで本研究では、これまでの研究で得られた相関長の振る舞いに着目することで、ネットワーク構造の臨界現象に対するスケーリング理論および繰り込み群理論を構築する。理論構築の際には、従来の臨界現象理論の自然な拡張となるよう注意を払う。理論の有効性を確認するために、非スケールフリーネットワークであるランダムグラフとスケールフリーネットワークである適応度モデルの二つのネットワークモデルを用いて数値計算を行った。その結果、臨界点近傍において、ネットワークの構造は相関長のみによって特徴付けられることが判明した。このことは有効次元が無限大である複雑ネットワークにおいても、通常のユークリッド空間と同様のシナリオが成立するということを意味し、従来のスケーリング理論をそのまま拡張した形となっている。またこのスケーリング理論は、Box-Coveringの定義に基づくフラクタル性、Cluster-Growingの定義に基づくフラクタル性のどちらの定義を用いても成立することも判明した。このことは昨年度の我々の研究の有効性をさらに高めることを意味するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Reciprocal relation between the fractal and the small-world properties of complex networks2010

    • 著者名/発表者名
      F.Kawasaki, K.Yakubo
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 82(CD-ROM)

    • 査読あり
  • [学会発表] フラクタル複雑ネットワークの拡散とスペクトル次元2011

    • 著者名/発表者名
      川崎文也、矢久保考介
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学堺市
    • 年月日
      2011-09-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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