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2012 年度 実績報告書

新型ブドウ球菌エンテロトキシンの分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J03753
研究機関岐阜大学

研究代表者

小野 久弥  岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード黄色ブドウ球菌 / 食中毒 / 嘔吐活性 / スンクス / エンテロトキシン
研究概要

黄色ブドウ球菌の産生するブドウ球菌エンテロトキシン(SEs)は嘔吐活性を持ち、ヒトおよび霊長類において経口的に摂取されると嘔吐型食中毒を引き起こす。SEAの嘔吐発現機序は長年不明であったが、前年度までの研究により、嘔吐モデル動物であるスンクスを用い、経口投与されたSEAは胃および腸管の粘膜下組織に存在する肥満細胞へと結合し、脱顆粒を引き起こすことを明らかにした。また、脱顆粒阻害剤を投与後、SEAを投与し嘔吐の有無を確認したところ、経口投与および腹腔内投与されたSEAによる嘔吐が脱顆粒阻害剤により抑制されることが明らかになった。このことからSEAの嘔吐活性発現機序において肥満細胞の脱顆粒が重要な役割を果たすことを示された。
本年度はスンクス嘔吐モデルにおいて、未だ嘔吐が確認されていない新型SEsの嘔吐活性の確認を行った。新型SEsのうちSEK,SEL,SEM,SEN,SEO,SEQをスンクスに腹腔内投与したところ、全ての新型SEsが嘔吐活性を示した。また、新型SEsの消化管内動態を古典的なSEsであるSEAと比較するため、SEIを胃内投与しその消化管内動態を免疫染色により確認した。その結果、SEAと比較すると少量ではあるがSEIも消化管の粘膜下組織へと移行することが明らかとなった。
以上の結果は、新型SEsによる嘔吐発現機序の解明に役立つだけでなく、エンテロトキシンファミリーによる食中毒の包括的な理解につながると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに古典的エンテロトキシンの嘔吐発症機序を解明しており、現在新型SEsの嘔吐活性の評価をin vivoで行っているため。

今後の研究の推進方策

未だ嘔吐発現におけるSEA受容体が明らかになっていないため、肥満細胞におけるSEA受容体の検索をタンパク質間相互作用を利用して同定し、SEA投与により脱穎粒に至るシグナル伝達経路を明らかにする。また、SEAと脂質との相互作用の解析も行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ブドウ球菌食中毒 : 新規エンテロトキシンの同定および古典的エンテロトキシンの嘔吐発症機序2012

    • 著者名/発表者名
      小野久弥
    • 学会等名
      第57回日本ブドウ球菌研究会
    • 発表場所
      東京工業大学、東京(招待講演)
    • 年月日
      2012-09-21
  • [学会発表] ブドウ球菌エンテロトキシンAによる嘔吐の投与経路による比較解析2012

    • 著者名/発表者名
      小野久弥
    • 学会等名
      第66回日本細菌学会東北支部総会
    • 発表場所
      東北大学、仙台
    • 年月日
      2012-08-24

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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