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2010 年度 実績報告書

有機分子触媒を用いた新規重合系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09J03844
研究機関北海道大学

研究代表者

三坂 英樹  北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード有機分子触媒 / 開環重合 / エポキシ化合物 / フォスファゼン塩基
研究概要

本研究では有機超強塩基触媒を利用した新規重合系の開発を目的とした。具体的には、フォスファゼン塩基(t-Bu-P_4)を触媒とし、開始剤にアルコールを用いて、新規重合開始系を開発し、種々のモノマーの重合を試みた。前年度までにスチレンオキシド(SO)をモノマーとして重合条件の最適化を行ったところ、分子量分散度の非常に狭いポリスチレンオキシド(PSO)をリビング的に得ることに成功した。その他のモノマーについても重合性を検討しており、ブチレンオキシド(BO)、エトキシエチルグリシジルエーテル(EEGE)、シクロヘキセンオキシド(CHO)について検討した。
本年度は、適用可能な新たなモノマーとして、1,1-二置換エポキシドの一種であるイソブチレンオキシド(IBO)の重合を試みた。その結果、重合の進行に伴い重合系が不均一系となったが、有機溶媒に難溶の白色固体が得られ、本重合系は1,1-二置換エポキシドの重合においても有効に作用することが明らかとなった。また、機能性を有するモノマーとして、二重結合を有するアリルグリシジルエーテル(AGE)および1,2-エポキシ-9-デセン(EDE)に対しても本重合系の適用を試みた。その結果、分子量分散度の狭いポリマーを得ることができた。
また、本重合系の特色として、一置換アルキルエポキシドの重合がリビング的に進行することが挙げられる。そこで、本重合系の有効性を示すことを目的として、特殊構造ポリマーの合成を試みた。一般に、特殊構造ポリマーは通常の直鎖状ポリマーとは異なる物性を示すことが知られており、効率的な合成法の確立することは未だに困難な分野の一つである。そこで、クリック反応を利用した大環状ポリエポキシドの合成を試みた。まず、本重合系を応用することで、任意の末端官能基を有するポリブチレンオキシド(PBO)を効率的に合成し、続いて、大希釈条件下におけるクリック反応を行うことで、大環状PBOを高効率かつ高収率で合成することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Living Anionic Ring-Opening Polymerization of Styrene Oxide catalyzed by Phoshpazene Base2011

    • 著者名/発表者名
      三坂英樹
    • 雑誌名

      Polymer Preprints

      巻: 52(印刷中)

  • [学会発表] Living Anionic Ring-Opening Polymerization of Styrene Oxide catalyzed by Phosphazene Base2011

    • 著者名/発表者名
      三坂英樹
    • 学会等名
      241st ACS National Meeting
    • 発表場所
      Hilton Anaheim, Anaheim, California, USA
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] フォスファゼン塩基を用いたスチレンオキシドのアニオン開環重合2010

    • 著者名/発表者名
      三坂英樹
    • 学会等名
      第59回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜, 横浜
    • 年月日
      2010-05-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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