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2013 年度 実績報告書

中国語におけるスタンス表現と補文の統語的性質

研究課題

研究課題/領域番号 09J03926
研究機関京都大学

研究代表者

遠藤 智子  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードスタンス表明 / 相互行為言語学 / 中国語 / 認識的態度 / 自然会話 / 舌打ち
研究概要

出産・育児のための採用中断を経て採用を再開し、最終年度の後期半年分のみとなる今年度は、データ公開のための準備と学会発表を中心に行った。
データ公開のための準備として、まずサーバをレンタルしホームページを開設、国内外の研究者に研究状況や会話データの存在を周知できる環境を整えた。そして、既存の会話データを再度見直し、書き起こしの精緻化を進めた。関連する研究者とは既に連絡を取っているが、今後も学会等で共有可能な中国語自然会話データの存在をアピールし、当該分野の発展に寄与していく予定である。
9月に行われた日本認知言語学会では、「会話の中の文法と認知 : 相互 : 行為言語学のアプローチ」と題したワークショップを企画、実行した。相互行為言語学の背景や研究手法の特徴を説明したのち、自身の研究発表ではターン中間部における"我覚得"の使用に焦点を当て、自然会話という時間的制約がある中での発話構築のための時間稼ぎと、対面会話という社会的行為においてスタンス表明が持ちうる危険の回避という観点からその機能を論じた。
10月に行われた日本中国語学会では中国語の自然会話における舌打ちについて発表した。舌打ちという、一見したところ言語現象ではないような要素を文法との関連で研究するのは特に当該学会では非常に珍しいことであるが、100例以上のデータの観察に基づいた分析の妥当性を来場者とともに検証し、新たな文法研究の可能性を模索した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者自身の収集したデータの書き起こしは全て終了しているが、精緻化と公開に関してはまだ全てが完了しているわけではない。また、舌打ち等の現象に関する研究を優先させた結果、"覚得"以外の他の動詞に関しては研究を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

近年は言語使用のマルチモーダルな側面に対する関心が高まっており、本研究課題のデータもそのような研究に活用可能である。Multimodality in Mandarin Conversationという論文集への寄稿を打診されたため、論文執筆を行う。データの精緻化および公開の徹底に関しては、作業の協力者と予算が確保され次第適宜行っていく。"覚得"以外の動詞については、相互行為上の働きに注目すべき点が見つかるかを検討したうえで、分析を行うかを決定する。スタンス表明という現象全般に関して理論的枠組を構築し、研究の蓄積が薄い部分から着手する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 中国語の自然会話における舌打ちの位置と機能2013

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子
    • 学会等名
      日本中国語学会
    • 発表場所
      東京外国語大学(東京)
    • 年月日
      2013-10-27
  • [学会発表] 会話における文法と認知―相互行為言語学のアプローチ―2013

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子
    • 学会等名
      日本認知言語学会
    • 発表場所
      京都外国語大学(京都)
    • 年月日
      2013-09-21
  • [学会発表] 時間稼ぎと態度表明―"我覚得"のターン中間部における使用―2013

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子
    • 学会等名
      日本認知言語学会
    • 発表場所
      京都外国語大学(京都)
    • 年月日
      2013-09-21
  • [学会発表] Learning to do for others : The use of-te ageru benefactive in Japanese child-caregiver interaction2013

    • 著者名/発表者名
      Endo, Tomoko
    • 学会等名
      Workshop on Japanese Language and Interaction
    • 発表場所
      National University of singapore(シンガポール)
    • 年月日
      2013-09-07
  • [備考]

    • URL

      http://endotomoko.net

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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