研究概要 |
研究代表者は心内に形成される表象の時空間的な諸特性を明らかにすることを目的としており,とりわけ視覚的意識,注意,並びに情動に関する処理がどのように相互作用しているのかについて検討している.特に平成22年度は,不気味の谷現象や食物新規性恐怖といった,不慣れな対象に対して不快感を感じるという問題を題材に,その背景となる心的処理や脳内基盤に関しての研究を中心に行ったまた,視対象定位における知覚と記憶の関与についても異なる処理メカニズムが関与していることを発見し,さらにはそれが網膜位置に依存しない座標系においてもみられることを明らかにした.その他にも,パーソナリティ特性によって潜在的な情動情報と人物情報との連合の仕方に違いが見られることや,新たな錯視を発見するといった研究成果も公表した. 研究成果を専門誌ならびに学会にて発表した.具体的には,4本の査読付き論文を刊行し,国内学会・研究会にて7件,さらに国際学会にて4件の発表を行った.これに加え,現在4本の論文が投稿中であり,専門誌による査読審査を受けそれらを修正中である.
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