• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

トリパノソーマ原虫における薬剤耐性機序および病原性規定遺伝子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J04017
研究機関北海道大学

研究代表者

目堅 博久  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードTrypanosoma evansi / 病原性規定因子 / 病原体進化 / フィリピン共和国
研究概要

Trypanosoma evansiは、アフリカ、アジア、南米などに広く分布し、アブなど吸血昆虫の機械的伝播により哺乳動物に感染し、発熱や貧血を主徴とする疾患を引き起こす。90年代以降、フィリピン共和国ではT.evansiの強毒化が報告され、家畜での被害が深刻化している。本研究では、T.evansiの病原性を規定する因子の同定及びその性状解析を行い、T.evansiの強毒化の分子機構を明らかにすることを目的とする。
1.T.evansiのクローン化と病原性比較解析
病原性比較解析を行うため、フィリピン共和国で採材したT.evansiをクローン化した。野外で採取した原虫株を、液体培地HMI-9に馴化培養後、3度の限界希釈法によりクローン化原虫株12株を樹立した。各クローン化原虫株はBALB/cマウスに腹腔内投与して、その病原性を生存日数および体内の原虫数の変化で評価した。その結果、樹立した12株のうち、3株で特に強い病原性が、1株で弱い病原性が確認された。
2.病原性規定遺伝子の同定および解析
強毒T.evansiで発現が強いが、弱毒T.evansiで発現が弱い遺伝子に病原性を規定する遺伝子があると考えられる。そこで、病原性に差が認められた2つの株を用いたcDNAサブトラクション法を行った。強毒株,弱毒株からcDNAを合成後、cDNAサブトラクション法を行い、サブトラクション産物cDNAライブラリーを得た。現在、強毒株をtester、弱毒株をdriverとしたcDNAライブラリーのクローニングおよびシーケンシング解析を行っている。現在までに135クローンの解析が終了、複数の病原性規定候補遺伝子が得られた。
T.evansiの病原性を規定する因子およびその機能解析の報告は非常に限られている。今後、病原性候補遺伝子の中から病原性規定因子を同定し、機能解析を行う。本研究は近年強毒化しているT.evansi原虫だけでなく、新規疾病防除法の開発など家畜衛生領域において非常に重要な基礎的知見を提供するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular detection of trypanosomes in cattle in South America and genetic diversity of Trypanosoma evansi based on expression-site-associated gene 62009

    • 著者名/発表者名
      Mekata, H., et al.
    • 雑誌名

      Infection, Genetics and Evolution Vol.9

      ページ: 1301-1305

    • 査読あり
  • [学会発表] Prevalence and Source of Trypanosome Infections in Field-Captured Vector Flies(Glossina Pallidipes)in Southeastern Zambia2009

    • 著者名/発表者名
      Mekata, H., et al.
    • 学会等名
      The 1st International Young Researcher Seminar in Zoonosis Control 2009
    • 発表場所
      ホテル ニセコいこいの村(北海道)
    • 年月日
      2009-08-20

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi