• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

トリパノソーマ原虫における薬剤耐性機序および病原性規定遺伝子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J04017
研究機関北海道大学

研究代表者

目堅 博久  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードTrypanosoma evansi / 病原性規定因子 / 病原体進化 / フィリピン共和国
研究概要

T.evansi感染によって生じる炎症性因子を解析するため、感染マウス脾臓を用いたPCRアレイ解析法によって、炎症性因子およびその受容体の網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、急性期においてサイトカインおよびケモカインストームの発生が確認された。次に、炎症性因子の産生源となる細胞を同定するため、免疫磁気ビーズ法による細胞分画を行い、各細胞分画でのサイトカイン発現量を検討した。その結果、マクロファージが炎症性因子の主要な産生源であることが明らかとなった。一方、脾臓においてCcl8およびIl10の明らかな発現上昇が確認された。このことは、制御性樹状細胞(DCs)の分化、誘導との関連を示しているので、T.evansi感染マウスの脾臓における制御性DCsの動態を解析した。その結果、T.evansi感染マウスの脾臓において、原虫量の増加に伴い制御性DCsは増加し、一方で炎症性のDCsが減少することが明らかとなった。そこで、制御性DCsの機能を解析するため、T.evansi感染マウスへの移入試験を行ったところ、移入群において細胞数依存的な生存期間の延長および炎症性サイトカインの発現低下が観察された。さらにT.evansi感染ウシの末梢血中においてもCCL8およびIL10の発現増加が認められたことから、マウス同様にウシにおいても制御性DCsの増加が示唆された。以上の結果から、T.evansi感染動物におけう病態発生の要因である過度の炎症反応には制御性DCsの動態が深く関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Kinetics of regulatory dendritic cells in inflammatory responses during Trypanosoma evansi infection2012

    • 著者名/発表者名
      Hirohisa Mekata
    • 雑誌名

      Parasite Immunology

      巻: 34 ページ: 318-329

    • DOI

      10.1111/j.1365-3024.2012.01362.x

    • 査読あり
  • [学会発表] Prevalence and source of trypanosome infections in field-captured vector fly (Glossina pallidipes) in eastern Zambia2011

    • 著者名/発表者名
      Hirohisa Mekata
    • 学会等名
      International union of microbiological societies
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌市)
    • 年月日
      20110906-20110910
  • [学会発表] トリパノソーマ原虫感染において制御性樹状細胞は炎症反応を抑制して病態の改善に関与する2011

    • 著者名/発表者名
      目堅博久
    • 学会等名
      第152回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府立大学(堺市)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] Regulatory dendritic cells expand and dampen pathogenicity during Trypanosoma evansi infection2011

    • 著者名/発表者名
      Hirohisa Mekata
    • 学会等名
      The 3rd International Young Researcher Seminar in Zoonosis Control 2011
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2011-09-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi