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2009 年度 実績報告書

GLAST衛星による銀河団ガンマ線放射の高感度探査

研究課題

研究課題/領域番号 09J04506
研究機関広島大学

研究代表者

西野 翔  広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード銀河団 / Fermi衛星 / すざく衛星
研究概要

ガンマ線観測衛星Fermi(旧称GLAST)が、2008年7月に打ち上げられ、さまざまな新成果が報告されている。私が研究対象としている銀河団からのガンマ線放射は、非常に微弱ながらFermiによって検出が可能かもしれないと予想されていたが、現時点では有意に検出されていない。そこで現在、私は予定どおりガンマ線放射の上限値からの議論を進めている。フラックス上限値はどの銀河団でも、Fermiの感度で決まる10^<-9>-10^<-8>[photon/cm2/s](100MeV-300GeV)程度と求められている。銀河団中に閉じ込められている高エネルギー陽子のエネルギー密度は、熱的エネルギーの5%以下と計算される見込みであり、銀河団の構造を支えている非熱的な圧力(高エネルギー粒子による圧力)は、多くの報論研究者が予想しているものより、幾分か小さくなることが明らかになってきた。また、銀河団からの放射モデルを議論する場合は、より広いエネルギー帯域におけるデータが必要となる。そこで私が検出器チームに属しているすざく衛星のX線データの解析も力をいれて行った。具体的には、修士のころから進めていたPerseus銀河団の温度構造の解析結果をまとめた論文を発表したことと、昨年私がPIとして観測した近傍銀河団A3627の解析を進め、A3627銀河団で現在小規模な銀河団衝突が起こっている可能性を示したことである。これらのX線による解析結果は、Fermi衛星で得られたガンマ線フラックス上限値と合わせて議論していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Study of the Large-Scale Temperature Structure of the Perseus Cluster with Suzaku2010

    • 著者名/発表者名
      S.Nishino, et al.
    • 雑誌名

      PASJ : Publications of the Astronomical Society of Japan 62

      ページ: 9-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Large Area Telescope on the Fermi Gamma-Ray Space Telescope Mission2009

    • 著者名/発表者名
      W.B.Atwood, et al.
    • 雑誌名

      ApJ : The Astrophysical Journal. 697

      ページ: 1071-1102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The on-orbit calibration of the Fermi Large Area Telescope2009

    • 著者名/発表者名
      A.A.Abdo, et al.
    • 雑誌名

      APh : Astroparticle Physics 32

      ページ: 193-219

    • 査読あり
  • [学会発表] 「すざく」衛星搭載硬X線検出器(HXD)主検出部の現状(IV)2010

    • 著者名/発表者名
      西野翔, et al.
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] Study of Large-scale Temperature Structure of the Perseus Cluster with Suzaku2009

    • 著者名/発表者名
      S.Nishino, et al.
    • 学会等名
      The Energetic Cosmos : from Suzaku to Astro-H
    • 発表場所
      Otaru, Hokkaido
    • 年月日
      20090629-20090702
  • [学会発表] すざく衛星による近傍の明るい銀河団Abell 3627の観測2009

    • 著者名/発表者名
      西野翔, et al.
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      山口大学
    • 年月日
      2009-09-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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