研究概要 |
FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて制御されているマスタ、スレーブ2台のハプティックデバイスを、UDP/IPによるネットワークを用いた通信で接続するためのフレームワークの開発を行った。ハプティックデバイスのコントローラにFPGAを用いることで、より安定で高性能なハプティックデバイスの実現が可能となる。デバイスの制御はFPGAを用い、通信にはLinuxベースのリアルタイム通信のフレームワークを用いた。FPGAによるハプティックデバイスの制御周期と比べて、リアルタイム通信のためのフレームワークによる通信周期は短く設定することが一般的に困難だが、二つの周期が一致しなくても安定にハプティック通信が実現可能であることを示した。これにより、FPGAを用いたハプティックデバイスをネットワークに接続可能となり、ハプティック通信への適用が可能となった。また、離散コサイン変換を用いたハプティックデータの容量を圧縮するための非可逆圧縮手法を提案した。非可逆圧縮とは、オリジナルの信号から人間が知覚しにくい周波数帯域の情報量を圧縮することによって、高圧縮率を実現する手法である。これは、将来的にハプティックデバイスの自由度が増えた場合にもハプティックデータの保存や通信をより効率的に実現することを可能とするものである。非可逆圧縮をバイラテラル制御に適用し,良好な応答が実現可能であることを実験的に示した。 ここまでの成果は、三度の国際学会および一度の国内研究会で発表した。また、一編の論文を電気学会論文誌に投稿中である。
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