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2010 年度 実績報告書

バキュロウイルスによる宿主乗っ取り戦略―宿主遺伝子転写シャットオフ機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09J04586
研究機関北海道大学

研究代表者

大塚 大輔  北海道大学, 大学院・農学院, 特別研究員(DC1)

キーワードバキュロウイルス / 転写抑制 / 核マトリクス
研究概要

本研究の目的は、バキュロウイルス感染細胞で見られる宿主遺伝子特異的発現(転写)抑制(shut off)機構を解明することである。これまでの研究によりバキュロウイルスの持つエンハンサーであるhr5を付加することにより宿主細胞ゲノム中にshut offを回避できる領域を作製することが可能であった。shut offは転写段階で起こり、かつ宿主遺伝子の大部分に同時に作用することが報告されている。バキュロウイルスの感染により細胞核内にvirogenic stroma(VS)とよばれる領域が形成され、その領域でバキュロウイルス遺伝子の転写やウイルスゲノムの複製が活発に行われることが報告されており、hrはVSの形成に必須である。hr5の付加により、宿主ゲノム中にshut offを回避できる領域を作ることが可能であったことから、VSに集積する因子の中にshut offに影響する因子も存在していると考え、それらの因子の同定を試みた。こで、本年度は共免疫沈降法(co-IP)を用いてIE1と相互作用する因子の同定を目標として研究を行った。まず、co-IPを行うためにIE1の可溶化条件の検討を行った。しかし、ピストンを抽出することができる2Mの塩濃度を用いてもIE1の可溶化を行うことができなかった。この結果からIE1は核マトリクスに存在しているのではないかと考えた。高塩濃度の抽出法以外にDNase Iを用いて核マトリクスを抽出する方法が確立されているため、その方法を用いて再度IE1の分画をおこなったところ、やはりIE1は核マトリクス画分に抽出された。低濃度のイオン性界面活性剤により可溶化させた試料を用いて、co-IPを行ったところ、複数個のタンパク質を単離したので、現在MALDI TOF-MS解析を用いて同定中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] hr5 is a shut-off escaping element in the baculovirus-infected cells2010

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ohtsuka, Ken Sahara, Shin-ichiro Asano, Hisanori Bando
    • 学会等名
      43rd Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology
    • 発表場所
      Karadeniz Technical University (Turkey)
    • 年月日
      2010-07-14

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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