本研究は、遺伝子組み換えをめぐる議論を例として、異分野領域間での知識共有の現状を把握し。今後の異分野間におけるコミュニケーションや知識共有について議論することを目的としている。そのため、遺伝子組み換えに関連する文献を情報源として、引用分析をはじめとする計量学的な観点からの分析を行うことを目指した。当該研究課題については、以下の項目について進めることができた 1.科学計量学、科学技術社会論、科学政策分野を中心とした、先行研究の収集とレビュー 2.分析手法に関連する、統計学・情報科学分野の知見の収集とレビュー 3.分析のための素データの収集の完了とプログラムによる前処理を開始(現在までに完了) 4.先行研究のレビューに基づき、分析手法の検討と決定 5.別のデータを用いた実際の分析とデータ解釈の訓練 現状までに、先行研究のレビュー、素データの収集と第一次前処理、今後使用される統計的手法の決定と訓練を行った。今後行うべき課題としては、分析に適した形へのデータファイルの再加工であり、そのためのコンピュータープログラムを現在設計中である。また、前年度までの研究成果を学術論文として発行し、その過程において当該研究課題とこれまでの研究についての連続性や共通課題、さらには今後の展開についての指針を得た。またその成果として、2009年度においては、3報の査読つき学術論文への掲載を達成しており、その過程において、学術論文の書き方や、データや知見の取扱いといった事項の多くを学んだ。
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